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エンディングノートと遺言の違い
遺言書には法律に定められた書き方があり、要件を満たさないと法律上の無効なものとなることがあります。反面それだけ強い拘束力をもっているともいえます。一方、エンディングノートは、それ自体ただのノートです。通常それだけで遺言と同じような効果はありません。「この預金は長男にあげたい。」と書いていても、それだけで長男のものにはなりません。この違いを利用して、エンディングノートを遺言書の下書きとして活用することができます。また、遺言書が完成していなくても、エンディングノートを見て、相続人たちが故人の考えを知ることができたり、財産に何があるかということがはっきりするだけでも、争いの材料が減り、話し合いをうまく進める大切な手がかりとすることもできるのです。
エンディングノートの活用方法
エンディングノートは、終活に関する様々な情報を整理することができます。その範囲は自分の健康や財産から相続や葬儀のこと、知人の連絡先などきわめて多岐にわたります。ですから、これ1冊でいろいろな活用方法が生まれます。
備忘録として使う
自分のことは分かっているようで、案外分かっていないものです。放っておくとだんだん適当に済ませてしまって忘れていることがありませんか。たとえどんなに身近な人でも、あなたのことを知らないでしょう。財産のこと、健康のこと、来年の予定、いろいろな情報を少しずつチェックしてみるだけでも、かなりの効果があります。本当に必要なもの、やりたいことがそこから見えてくるかもしれません。
家族に財産の内容を知らせる
たとえば、保険。どんな生命保険に入っていたか、どんなときにいくら出るのか、忘れていては意味がありません。また、自分だけ知っていても、万一のとき家族が使えなければやはり意味がありません。もしもの時に、どの預金を使うのか明示しておけば安心です。また相続時に、遺族同士で財産のあったなかったというようなトラブルをなくす効果もあります。
倒れたり、認知症になったときに備える
どんなに身近な家族でも、案外自分の健康のことを把握できていないこともあるものです。離れて暮らす家族であれば、もしも倒れた時にどうするか、とても悩ましいものです。延命治療や尊厳死など、難しいテーマにも結びついてきますが、超高齢社会の今、考えないわけにはいきません。エンディングノートにわずかでも記入があれば、身近に控える家族にとっても、ひいてはご自身にとっても極めて有意義な情報となるでしょう。
相続でもめないために
きちんとした相続対策として、遺言などを遺しておくことが大切なのはいうまでもありません。しかし、遺言まで書ききるのは自力では大変なことも多いです。そのため結局何も手を付けていないというケースが多いようです。完璧な遺言がいきなり無理でも、財産の状況を整理しておくだけでも紛争を未然に防ぐ効果はあります。
自分の人生を有意義に過ごすために
将来への不安が明確化され、整理されてきます。本当にやらねばならないこと、やっておきたいことが見えてくると、自然と将来を前向きに生きようという気持ちも強まるようです。これがエンディングノート最大の効果かもしれません。